After TokyoDemoFest 2011

2011/01/24 hole

2011年1月8日、日本発の公式オフラインパーティTokyoDemoFest 2011が開かれました。この文章はholeによる、 デモパーティ参加記です。

元々日本ではあまりメガデモ文化は盛んではなく、特に近年は国内での主だった活動は2ちゃんねるの「メガデモを語る」 スレッドと、このスレッド発祥のオンラインデモパーティ、2ch Partyくらいのものでした。
しかし、2010年秋、qatnonoilさんがメガデモの勉強会、鑑賞会をATND上で企画、これにかなり多くの方が参加予約されたのでこの勢いにのってパーティを開いてしまおうとsystemKのkiokuさん達が中心になりqatnonoilさんと一緒に今回のパーティを開くことになったわけです。
いままで日本ではこのようなオフラインでのデモパーティが存在していなかったようで、海外からも結構注目されていたみたいです。インターネットを通じた海外のパーティ参加者も、かなり有名な人が参加し、開催前より盛り上がりを見せていました。

当日は、すみだ産業会館の会議室を借り、昼から夕方にかけてセミナー形式の勉強会を行い、夜には過去の名作デモ鑑賞会と応募作品によるパーティが開かれました。
セミナーは、

    "楽しい256bytesイントロ" by hole
    "intro of intro" by qatnonoil
    "demoscene.jp について" by kioku 
    "2次元からはじめるメガデモ入門" by Tomohiro
    "how to make demo - デモはこうしてつくられる" by kioku 
    "Executable Packerの構造と解釈" by 301
    
の六つが行われ、当日はUStreamによる発表のネット中継も行われました。UStreamも数十人の方が視聴されていたようで、なかなか好評だったようです。発表者に対する質問もなかなか活発に行われていました。
発表と発表の間には何度か休憩が挟まれ、参加者がお互い交流する様子もありました。参加者の方は、やはりプログラマーやそれに近い人が多い印象でしたが、音楽系の人も何人か参加されていたみたいです。

セミナーは午後一時から午後六時近くまで行われ、その後は別の会議室に移動して夜の部に移りました。
午後の部は二部構成になっており、最初は過去の有名作品の鑑賞会、次にコンペという形になっていました。
有名作品は、Windows用のイントロ、フルサイズデモが中心でしたが、301さんが持ち込まれたAMIGAによる有名AMIGAデモ鑑賞は非常に面白かったです。普段動画でしか見れないようなデモが実機で動いているのはなかなか感動的でした。日本ではAMIGAはあまり知名度が無いのですが、さすがにデモパーティに来るくらいの人達はちゃんと知っているみたいで、パーティ中はしばしば皆でAMIGAAAAと絶叫しておりました。
また、夜の部からは、いつのまにか海外の人も何人か参加していました。デモを愛する心は国境を越えるのでしょうか。そんな中、Nolifeの人達が取材に来ていたのが印象的でした。
IRCの#TokyoDemoFestには未だかつて無いほど外人が集まり、オンラインで実況が激しい実況が行われてました。後でログを見ましたが、やっぱりAMIGAの人気は凄いようです。

名作デモ鑑賞会の後は、いよいよデモコンペが行われました。参加作品は以下の通りでした。(最終順位順)

    1st Psycho by Eldorado
    2nd Etherea1 by imerso
    3rd Pirates Of The 777 Seas by RAZOR 1911
    4th FromPlane2Color by Tomohiro
    4th fractaliz by by Still
    4th L.E.D. by n.h.k
    4th plastice by by Still
    4th transmission by by Still
    4th XFire-Taxi by Tristar
    5th intro-jnik by gyabo
    5th The aurum by loonies&brainstorm.
    5th The impact by nonoil
    
パーティの開催告知があまり早くなかったにもかかわらず、全部で12作品もの応募がありました。また、半分近くは海外からのリモートエントリーで、海外のデモ関係者も日本初、ということで結構興味を持っていたみたいです。Pouetのフォーラムでも日本でパーティが行われるということについては全体的に歓迎ムードでした。

私は、このようなオフラインパーティに参加したのは初めてでしたが、やはりオフラインにはオフラインの醍醐味、面白さがあるのだと強く思いました。現場の生の雰囲気はオンラインのパーティでは決して味わえないものです。
準備や、運営の点でやや不足の点もありましたが、第一回としては非常に良いイベントだったのではないかと思います。日本にも、メガデモのようなリアルタイムコンピュータグラフィックスに興味のある人は非常に多いはずです。TokyoDemoFestのようなイベントが活発になることで、日本からも優れたデモが生まれていくことを期待していきたいです。